エス・イー・シーエレベーター株式会社

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エレベーターに関する建築基準法 平成に行われた耐震基準の変遷について解説。

エレベーターの安全に関する法律は、平成に入って3回改正されました。 今回はエレベーターの安全基準がどのように変化し、法改正されてきたのかを解説します。

98耐震

1995年の阪神淡路大震災では、多くのエレベーターが地震の影響で故障し、乗客が閉じ込められたり、エレベーターが倒壊したりする被害が発生しました。 この阪神淡路大震災の影響もあり、エレベーターの安全性確保のために建築基準法が改正されました。 この改正により、1998年(平成10年)4月1日以降に設置されたエレベーターには、98耐震基準と呼ばれる新たな耐震性能基準が義務付けられました。
98耐震基準の主な内容としては


・カウンターのブロックの脱落防止対策の追加


・巻上機や制御盤の転落防止対策の強化


・ロープ類の引っ掛かり防止対策の強化


などがあります。  

09耐震

2004年の新潟県中越地震や2007年の能登半島地震では、98耐震基準を満たしていたエレベーターにも被害が発生しました。 また、戸開走行事故や閉じ込め事案などが社会問題化したこともあり、これらの被害を教訓として、更なる安全性を確保するために09耐震基準が策定され、2009年(平成21年)9月28日に法令改正が施行されました。
09耐震基準の主な内容としては


・戸開走行保護装置の設置義務化


・地震時管制運転装置の設置義務化


・安全に係る技術基準の明確化


などがあげられます。

14耐震

2011年に起きた東日本大震災では、多くのエレベーターが地震の影響で故障し、乗客が閉じ込められたり、エレベーターが倒壊したりする被害が発生しました。 2014年(平成26年)4月1日、東日本大震災の経験を踏まえて、エレベーターの安全性をさらに向上させるために建築基準法が改正され、14耐震基準と呼ばれる新たな耐震性能基準が義務付けられました。
14耐震基準の主な内容としては


・09耐震基準に加え、更に厳しい耐震性能基準を設ける。


・エレベーターの制御装置や駆動装置の耐震性を強化する。


・地震発生時にエレベーターが自動的に停止する装置の設置の義務付け。


などがあげられます。
SECエレベーターの安心機能
 

既存不適格とは

エレベーター設置当時には法令で定められた耐震基準を満たしていたけれども、その後の法改正によって基準が変わり現在で基準を満たさなくなることを「既存不適格」といいます。 現在の法令に合致をしていなくとも「違法」となることはなく、既存不適格であってもすぐに乗れなくなることはありません。 ただし現在の安全基準は満たしていない、という事を認識しておく必要があります。 災害時の被害を未然に防ぐ意味でも、リニューアル時には最新の安全基準を確認し、利用者の安全保確保する改修が求められます。

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