ただし、エレベーターのリニューアルの目的は「安全性」や「快適性」だけにはとどまりません。
「省エネ」や「エコロジー」といった観点から見てもエレベーターのリニューアルは進められるべきだと言えるでしょう。
気候変動や社会維持といった観点から「SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)」という概念が一般に浸透していますが、このSDGsへの取り組みとしてのエレベーターリニューアルについて考察してみたいと思います。
SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省
持続可能な開発目標(SDGs)(PDF)
SDGs(Sustainable Development Goals 持続可能な開発目標)
そもそもSDGsとはどんな概念なのでしょうか。
SDGsは「持続可能な開発目標」の略称で、2015年に国連サミットで採択された、2030年までに達成すべき17の国際目標です。
17の目標
1.貧困をなくそう
2.飢餓をゼロにしよう
3.すべての人に健康と福祉を提供しよう
4.質の高い教育をすべての人に確保しよう
5.ジェンダー(男女)平等を実現しよう
6.すべての人に安全な水と衛生を確保しよう
7.エネルギーをすべての人に、持続可能な形で確保しよう
8.経済成長と働きがいのある質の高い雇用をすべての人に与えよう
9.産業革新とインフラの構築を促進しよう
10.人や国の不平等をなくそう
11.住み続けられるまちづくりをしよう
12.つくる責任、使う責任をみんなで持とう
13.気候変動に具体的な対策を講じよう
14.海の豊かさを守ろう
15.陸の豊かさを守り、生物多様性を失くさないようにしよう
16.平和と公正をすべての人に促進しよう
17.パートナーシップで目標を達成しよう
なぜSDGsが重要なのかといえば、地球温暖化、貧困、飢餓、紛争など、現代社会が抱える様々な課題を解決するためには、一人の努力だけでは困難で、世界全体で取り組むことが必要だからです。
SDGsは、これらの課題を解決するための共通の目標として、世界各国や企業、市民社会が協力して取り組む指針となっています。
エレベーターリニューアルとSDGs
SDGsには17個のゴールが設定されていますが、エレベーターリニューアルに関連する項目としては
7.エネルギーをすべての人に、持続可能な形で確保しよう
11.住み続けられるまちづくりをしよう
12.つくる責任、使う責任をみんなで持とう
といったところでしょうか。
エレベーターのリニューアルにおいてSDGs関連項目を達成するためには、以下の点に配慮する必要があるでしょう。
■省エネ性能の高いエレベーターの導入
省エネ性能の高いモーターや制御装置を採用することで、エレベーターの消費電力を大幅に削減することができます。
近年は、LED照明や再生可能エネルギーの利用など、さらに省エネ性能を向上させる技術も開発されています。
■長寿命なエレベーターの導入
長寿命なエレベーターは、部品交換やメンテナンスの頻度が少なくなり、資源の節約と廃棄物の削減に貢献します。
近年は、耐摩耗性の高い部品や潤滑油フリーの技術など、長寿命化を促進する技術も開発されています。
■リサイクル可能な部材の使用
エレベーターの部材に、リサイクル可能な素材を使用することで、資源の節約と廃棄物の削減に貢献します。
近年は、鉄鋼材やアルミなどの金属類だけでなく、プラスチックやゴムなどの素材についても、リサイクル技術が進んでいます。
■ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインを取り入れたエレベーターを設置することで、高齢者や障がい者など、すべての人が使いやすい環境を作ることができます。
省エネ性能の高いエレベーターは、騒音や振動も少なく、快適な乗り心地を提供することができます。
エレベーターのリニューアルは、単に古いエレベーターを新しいものに交換するだけでなく、SDGsの観点からも様々な配慮が必要となります。
SDGsを達成するためには、省エネ性能や長寿命化、リサイクル性などを考慮したエレベーターを選択し、地域経済やユーザーの快適性にも配慮することが重要でしょう。
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